日本語の文章構造の「起承転結」は、
ハッキリ言って英語のスピーチとプレゼンには
使えません。
では、なぜ僕が突然、そのようなお話をするのか
これから、その理由をお話しいたします。
欧米人のコメント
僕は度々欧米人の知り合いに会ってお話をする
機会があるのですが、その時、よく聴く話の中に、
「日本人が喋っている時は、何を言っているのか
ポイントが見えてこない。」とか
「日本人の書く英語のEメールは、とにかく、
読んでいて、何を言いたいの分からない。
ビジネス文書にしてもポイントが明確ではない
ので分かりずらい。」といったコメントめいた
ものがあります。
これは欧米人には分かりにくい、日本人特有の文章や
スピーチそしてプレゼン関しての欧米人のコメント
そのもので、私たちが英語の文章を書く時や
スピーチそしてプレゼンをする時に、絶対に
気をつけなければならないことなのです。
なぜ、日本人の文章やスピーチそしてプレゼンは、欧米人には解りにくいのか
なので、このことが、いったいどういうことなのか
について、色々と英語の諸先輩方に訪ねたりして、
自分なりに、思い当たる点を、
簡単に調べてみました。
そして、なにやら、見えてきた、
それらしき3つの原因がこちらになります
1つ目は日本元来の日本式の文章の構成法をの3つの原因が見えてきました。
使って英語の文章を組み立てていること
2つ目は普段使われない難しい受験英語の単語や
構文で文章を組み立ててしまっていること
3つ目は日本語を直訳してしまっていること
とりわけ、その中でも1つ目の日本式の文章構成法で
英語の文章を組み立てていることが、一番大きな原因
になっているのではないかと思われるのですが、
このことは、両言語の文章構造の違いについて
かなり前から研究されている大先生方により、
明確に指摘されているようです。
英語と日本語の文章構成法の違い 1
「序論、本論、結論」と「起承転結」
英語と日本語の文章構成法の違いは、
英語の文章構造が
IntroductionーBody−Conclusion
「序論」 「本論」 「結論」
という構造になっているのに比べ、
日本語の文章構造は
「起承転結」の構成、つまり、
introduction=「起」development=「承」
turn=「転」, conclusion=「結」
という構造になっているところにあります。
一見、日本語にも英語に似たような文書構造が
あるように見えるのですが、実は「転」の
部分があるだけの違いが、ネイティブの方の
目には、全然、関係のない、異質な障害物が
文章に含まれているかのように映り、
誤解と混乱を引き起こすようなのです。
英語の「序論」には聴き手の興味を引くと同時に、
何を言おうとしているのかをほのめかし「結論」を
それとなく知らせる役目があり、次の「本論」で、
自分の考えを展開させていき、そして、最後の
「結論」でまとめていくわけです。
一方、日本語の「起」の部分では結論のほのめかしが
されることはほとんどなく、始めに何か1つの事例
などを説明し、一般的な入りやすいところから入り、
次第に論旨を組み立てていきながら、最後で結論を
明かすことで、盛り上げを作り締めくくるわけです。
英語と日本語の文章構成法の違い 2
段落/パラグラフ
そして、加えて、知っておくべきことに
英語と日本語の段落/パラグラフの違いがあります。
これらの大まかな文章の構造のパーツをさらに
細かく分けたのが段落/パラグラフなのですが、
英語では1つの段落で1つのトピックだけを
説明するので、話題が変わるごとに、新しい
段落が始まります。
そして、英語の段落は
段落の説明を要約した始めの短い文となる
Topic sentence、
次に始めの短い文をサポートしながら展開していく
Supporting sentences、
最後に段落のトピックの締めくくりの文となる
Concluding sentence
の3つの文/センテンスから成り立っているので
その構造も日本語のものとは全然違います。
なお、すべての段落が前後の段落と関係し合い、
最後の結論に至るまでの一連の段落の繋がりとして
続いていくので、突然、全然、関係のない、
異質な障害物的なトピックが挿入されるのが、
極めて難しい構造になっているようにも見えます。
英語のスピーチやプレゼンで日本語の「起承転結」が使えない理由のまとめ
ということで、日本語を直訳で、英語に
翻訳されたような文章やスピーチそしてプレゼンは、
英語と日本語の基本的な、構造上の違いにより、
ネイティブおよび欧米人には解りにくいものと
なり、全く効力のないものとなるので、
和文英訳が必要な文章、スピーチ、プレゼンでは
英語の文章が日本語の文章構造の「起承転結」に
なってしまわないような対策を施さなければ
なりません。
以上が、英語のスピーチやプレゼンで日本語の
文章構造となる「起承転結」を使えない理由に
なります。
僕のブログを読んでくださって、
本当にどうもありがとうございます。
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